マラソン大会で良いパフォーマンスを発揮するためには、マラソン大会前日の夕食に何を食べるかが意外と重要です。ハーフマラソンやフルマラソンを翌日に控えているとなると、どんなご飯を食べたら良いのか気になるところです。そこで今回の記事では、マラソン大会前日の夜ご飯におすすめしたい食事メニューを紹介しています。また、マラソン大会前日の前夜祭として仲間でお酒を飲んだり、焼肉を食べたりと楽しい計画を立てている人も多いと思いますが、果たしてマラソン前日に飲酒はOKなのか、焼肉は食べても良いのかについても紹介しています。マラソン前夜の上手い食事の摂り方が気になる人は是非参考にしてみてください。
目次
マラソン大会前日の食事で摂りたい栄養素
炭水化物(糖質)
マラソン大会で良い結果を残すためには、マラソン大会前日の夕食で炭水化物を多く摂ることが大切です。炭水化物が多く含まれるものは、ご飯、パスタ、うどん、もち、コーンフレーク、カステラといったものがあります。
炭水化物に含まれる糖質は、私たちが普段活動する上で欠かせないエネルギー源となります。当然ながら、マラソンを走る際にも重要となるのが糖質です。糖質は“グリコーゲン”として体内に貯蔵され、走る際のエネルギー源となるのです。車で例えるなら、ガソリンです。
体重60kgの人の場合、フルマラソン(42.195km)を完走する際に2531.5kcalものエネルギーを消費します。マラソンを走り切るには、いかに多くのエネルギーが必要かが分かります。そのため、ハーフマラソンやフルマラソンを走る前日の夕食では、ご飯やパスタ、うどんといった炭水化物と言われる食べ物を多めに食べておきましょう。
ビタミンB1
炭水化物(糖質)は、走る時の重要なエネルギーとなります。ただし、糖質は糖質自らエネルギーに変換する訳ではありません。糖質がエネルギーに変換するには、糖質の代謝ビタミンであるビタミンB1が必要です。
ビタミンB1は、糖質がエネルギーに変換するのをサポートするビタミンです。いくら、糖質をしっかり摂っても、ビタミンB1が不足していれば、糖質を上手くエネルギーとして利用することが出来ません。そうなると、倦怠感や疲労感を感じやすくなります。
マラソン前日は、炭水化物を摂るとともに、それをエネルギーに変換するためのビタミンB1もしっかり摂取しておきましょう。ビタミンB1は特に豚肉に多く含まれています。豚肉はビタミンB1の宝庫と言われるほどです。また、豚肉以外にも、玄米、納豆や豆腐、アーモンドなどにもビタミンB1が多く含まれています。
マラソン大会前日の食事メニューのおすすめ
家で簡単に作るなら、ミートスパゲッティが最強
マラソン大会前日の夕食メニューといえば、パスタが定番です。パスタは、炭水化物を多く含む料理の代表例です。マラソン大会前日の夜にパスタを食べることで、マラソンのエネルギー源となる糖質を体内に多く蓄えることが出来ます。一流のマラソン選手も含め、多くのマラソンランナーは、大会の7日前或いは3日前から炭水化物を多く食べて体内にグリコーゲン(糖質)を蓄えるカーボンローディングという調整方法を取ります。このカーボローディングを実践する際も、パスタが定番の食事メニューとなります。
そして、たくさん種類があるパスタ料理の中でも、マラソン大会前日におすすめしたいパスタが、子供から大人までみんな大好きな"ミートスパゲッティ"です。マラソン大会前日の夕食にミートスパゲッティをおすすめする理由は、ミートスパゲッティで摂取出来る「糖質」と「ビタミンB1」、「硫化アリル」の三つの栄養素がマラソンを翌日に控えたランナーに良いためです。
麺を食べることで体内に糖質を蓄えられる
マラソン前日の夜の食事にミートスパゲッティをおすすめする理由は、体内に糖質を多く蓄えることが出来るためです。パスタは炭水化物(糖質)のため、摂取してすぐに消費しなかった糖質は肝臓や筋肉にグリコーゲンとして蓄えることが出来ます。グリコーゲンは走るスタミナを支える重要なエネルギーになります。マラソンランナーは大会当日までに出来るだけ多くのグリコーゲンを体内に蓄えておくことが大切です。一般の市民ランナーの場合も、少しでも本番で良いタイムを出せるように、前日は意識してパスタで糖質を摂りましょう。
豚ひき肉は糖質代謝に関わるビタミンB1が豊富
ミートスパゲッティの定番材料である豚ひき肉はビタミン1が豊富です。ビタミンB1は体内に貯えられているグリコーゲン(糖質)をエネルギーに変換する時に重要な役割を果たすビタミンです。いくら、たくさんグリコーゲンを蓄えていても、そのグリコーゲンをエネルギーに変換するビタミンB1が不足していると、意味がありません。ミートスパゲッティなら糖質とともにビタミンB1も同時に摂取出来るため、マラソン大会当日にしっかりと糖質を走るエネルギーへと変換出来ます。
玉ねぎがビタミンB1の吸収を助ける
ミートスパゲッティの定番レシピの材料である玉ねぎはビタミンB1の吸収を助ける役割があります。その役割を果たすのが玉ねぎの辛味成分である「硫化アリル」です。硫化アリルはビタミンB1の吸収を助ける役割があるので、ビタミンB1豊富な豚肉と相性抜群です。
外食するなら、生姜焼き定食がおすすめ
マラソン大会前日の夜は、外食で済ませる予定なら、定食屋さんで「豚の生姜焼き定食」を頼むのがおすすめです。豚の生姜焼きは、糖の代謝に関わるビタミンB1豊富な豚肉と、ビタミンB1の吸収を促進する硫化アリルを含む玉ねぎを一緒に食べることが出来ます。体内に蓄えたグリコーゲンをマラソン大会本番で効率よくエネルギーに変換することを考えると、豚の生姜焼き定食もマラソンランナーの最強の料理の一つです。
もちろん定食に付いている白米を食べることで、グリコーゲンの元となる糖質も補給出来ます。出来れば炭水化物は多く摂っておきたいので、ご飯は大盛がおすすめです。もし、大盛だと全部食べ切れないという場合には白米を優先して、生姜焼きを少し残すぐらいが丁度良いです。
マラソン大会前日の食事メニュー例
実際の市民ランナーのマラソン前夜の食事メニューを参考にしてみるのもおすすめです。下記の3つは、マラソン大会を前日に控えるマラソンランナーの食事メニュー例です。
参考例1.
マラソン大会前日の食事メニューの参考例の一つ目は、ご飯、ハムと牡蠣、ほうれん草のパスタ、餃子、鰤、もずくのラインナップです。ランナーのエネルギー間となる炭水化物をしっかりと摂るために、白米とパスタが用意されているのがポイントです。また、糖質をエネルギーへと変換するためのビタミンB1を摂るために、ハムと牡蠣、ほうれん草、鰤が用意されているのもポイントです。また、ハムと牡蠣、鰤は筋肉疲労の軽減に役立つアミノ酸も摂ることが出来ます。そのほか、疲労軽減に良いとされるクエン酸が豊富なもずくもあります。(※牡蠣は食あたりの可能性があるため、参考にする場合は注意が必要です。)
参考例2.
マラソン大会前日の食事メニューの参考例の二つ目は、豚生姜焼き弁当です。マラソン大会前日にホテルに前泊するから、夕食はスーパーやコンビニの弁当で済ませたいというランナーにとても参考となります。豚の生姜焼きはマラソン前夜の夕食におすすめの食事メニューの一つなので、弁当を買うなら、豚の生姜焼き弁当はイチオシです。また、弁当だけだと足りないという人は、炭水化物を摂るために、おにぎりを合わせて買ってみるのがおすすめです。
参考例3.
マラソン大会前日の食事メニューの参考例の三つ目は、ご飯とパスタ、ベーコン、ウインナー、卵焼き、スープのラインナップです。主食は炭水化物源となる「ご飯」と「パスタ」で、しっかりとエネルギー補給が出来ます。また、おかずはビタミンB1を含む「ベーコン」と「ウインナー」を用意し、タンパク源となる「卵焼き」も用意されています。
マラソン大会前日の食事での注意点
食べなれないものは食べてはいけない!食べなれたものを食べよう!
マラソン前日に、普段から食べなれていないようなものは口にはしないようにしましょう。出来るだけ、普段良く食べているようなものを口にすることが大切です。
普段滅多に食べないようなものを口にしてしまうと、お腹を壊す可能性があります。また、普段食べないものを食べることで、気持ちもそわそわして落ち着かないといった事になりけねません。
出来るだけ普段食べているものを食べるようにしましょう。炭水化物であれば、多くの人が白米やうどん、パスタ、パン、餅のいずれかに食べなれていると思います。その食べなれたものを選べば良いだけです。
ビタミンB1も普段から食べなれているものを選択しましょう。普段滅多に食べないのに奮発して「うなぎ」なんか食べる必要はありません。普段から食べている食べ物の中で、ちょっとビタミンB1が多そうなものを選べば、それでいいんです。
揚げ物・生もの・食物繊維豊富な食べ物は控える
マラソン前日には、体力を付けるために焼肉に行くという人もいますが、焼肉はあまりおすすめ出来ません。基本的にマラソン前日は出来るだけ胃に負担のからない消化に良いものがおすすめです。焼肉は脂っこいため胃に負担がかかります。また、マラソン前日はたんぱく質よりも、炭水化物を優先して食べたいところです。焼肉だと、どうしても炭水化物よりもタンパク質の割合が少なくなってしまい、十分な炭水化物を摂ることが出来ません。
また、同じように脂っこいという理由でラーメンもNGです。ラーメンはパスタと同じ麺類ですが、パスタよりも脂っこいためマラソン前日にはおすすめ出来ません。
その他にも、生もの、食物繊維が多い食べ物は出来るだけ食べるのを控えた方が良いです。生もの、食物繊維が多い食べ物は食あたり、下痢、腹痛を起こす可能性があります。こういったコンディションに大きく影響する可能性がある食べ物は出来るだけ食べないのが無難です。
ぐっすりと眠るためにお酒やカフェイン入り飲み物も控えた方が良い
マラソン前日はしっかり体を休めてベストコンディションで本番を迎えるためにも、睡眠をしっかりとっておきたいです。そのためにも、睡眠の質に影響を及ぼすアルコールやカフェインは出来るだけ控えた方が良いです。
カフェインの覚醒作用は約8時間続きます。夜寝る時間までの8時間以内にカフェイン入りのコーヒーや緑茶などの飲み物を飲んでしまうと眠りに影響する可能性があります。
また、アルコールも眠りを妨げる要因です。眠れない時にはアルコールを飲むという人もいますが、ぐっすりと眠るという点ではおすすめ出来ません。お酒は一時的に眠気を催すものの、睡眠の質を低下させたり、夜中に目が覚める原因にもなります。
そのため、マラソン前日は本番に向けてぐっすりと質の高い睡眠をとるためにも、お酒やカフェイン入りの飲み物は避けておくのがおすすめです。
マラソン大会前日までに確認しておきたいこと
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