サブ3達成のための練習法

サブ3達成のための練習・トレーニング方法【フルマラソン3時間切り】

更新日: 著者:RUNNAL編集部

フルマラソンでのサブ3達成は、多くの市民ランナーの憧れとなるタイムです。フルマラソンを3時間以内で走り切れるのは各大会の上位3%程度で非常に難易度の高い目標タイムです。ハードルが高い目標だからこそ、マラソンを本気で頑張る市民ランナーがフルマラソンでの3時間切りを目指し日々練習に明け暮れています。

今回の記事では、市民ランナーにとってハードルの高い目標である、フルマラソンでのサブ3達成を実現するための練習方法のおすすめを紹介しています。スタミナ練習から効果的なスピード練習まで紹介しています。フルマラソンの3時間切りは社会人になってから走り始めた市民ランナーにとってはとても高い壁ですが、それぞれに意味のある練習を計画的に実践していくことで、高い壁を破ることが出来ます。今現在、3時間15分から3時間30分前後の持ちタイムで、次回のマラソン大会では是が非でもサブ3を達成したいというランナーは、是非参考にしてみてください。

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サブ3とは

サブ3とは

サブ3とは、フルマラソンで3時間未満のタイムで完走することです。市民ランナーの目標となる節目のタイムは、サブ5(5時間切り)、サブ4(4時間切り)、サブ3.5(3時間切り)、サブ3(3時間切り)とありますが、その最高峰にあるのが「サブスリー」です。サブ3は日本の実業団選手や世界のトップ選手と同じ2時間台のタイムなので、市民ランナーにとってサブスリー達成は大きな憧れであり、勲章です。

サブ3達成の難易度

サブ3の難易度

フルマラソンを3時間切りで走るサブ3の難易度はかなり高いです。フルマラソンを走る全ランナーの中で、3時間を切るタイムで完走できるのは、男性の場合上位3%のみ。女性ランナーにいたっては上位1%未満とかなりハードルの高いタイムです。20代、30代でマラソンを始めたランナーの場合はトレーニングに打ち込むことでサブ3を達成できる可能性は高いですが、30代後半から40代、50代でマラソンを始めた場合はかなり難しいです。そのぐらいサブスリーというのは難しいからこそ、市民ランナーの大きな憧れであり続けるのです。

ちなみにサブ3を達成するためには、5キロ18分30秒、10キロ38分30秒、ハーフマラソン1時間25分ぐらいの走力が必要です。それぞれのタイム自体、市民ランナーにとって難易度の高いタイムです。サブ3を達成するためには、ある程度のスピードが必要です。そのため、まずは、10キロやハーフマラソンでサブ3をクリアできるだけの走力を身に着けるところから始めてみると良いでしょう。

サブ3達成のためのペース

ペースを確認するランナー

サブ3をギリギリ達成できる平均ペースは、4分15秒。4分15秒のイーブンペースで42.195kmを走り切れば3時間を切ることが出来ます。マラソンの走り方は、前半と後半一定のペースで走るイーブンペース、前半に貯金を作って走るポジティブスプリット、後半にペースアップするネガティブスプリットと、3通りのペース配分があります。理想は、トップ選手に多いネガティブスプリットやイーブンペースと言われていますが、市民ランナーが現実的に実行しやすいのは、ポジティブスプリット。走ることに専念しているプロのランナーと違って、練習にある程度の制約がある市民ランナーは、どうしてもレース後半にある程度バテてしまうのは避けられない。そのため、前半はやや平均ペースよりも早めに走り、後半の失速に備えて貯金を作っておくのがオススメ。

市民ランナーがサブ3を目指して走る場合は、「4分10秒」で入っていくのがベスト。中間地点から30km過ぎぐらいまでは、平均4分10秒ペースを維持して、後半はその貯金で失速分をカバーしつつ、最終的に3時間切りのタイムでフィニッシュラインへたどり着くのが現実的なサブ3達成の走り方です。

サブ3達成のための練習・トレーニングメニュー

マラソントレーニングをするランナー

  • 持久力強化(25km以上のイージーペース)
  • スピード持久力強化(15~20kmのレースペース)
  • スピード強化(10km以下のハイペース)

サブスリーを達成するためには、3つの練習が重要です。一つは、25km以上のロング走。ゆったりめのペースで長い距離を走ることで、42.195kmを走るスタミナを鍛え、30km以降の失速を防ぎます。二つ目は、15~20kmのペース走。レースペースで走る練習で、サブ3で走る実践的な走力を身に着けていきます。三つ目は、10km以下のスピード練習。サブ3ペースの4分15秒を楽に感じられるように、レースペースより速いペースで走ってスピードを鍛えていきます。

この三つの練習で、日々の練習の走る距離や走るペースにメリハリをつけながら、取り組んでいくことがサブ3達成のための近道です。

持久力強化の練習

スタミナ強化のために走り込むランナー

サブ3を達成するためには、30kmの壁、35kmの壁を乗り越える必要があります。ハーフマラソンのタイムが1時間25分以内なのに、サブ3を達成出来ないランナーの一番の原因は、スタミナ不足。サブスリーペースで走るスピードは十分にあるのに、スタミナ不足によって30km過ぎ、35km過ぎで足がモタなくなったり、攣ったりしてしまって失速するのです。そうならないために、必ず週1ペースでロング走に取り組む必要があります。サブ3.5までだと、ロング走をそこまでしなくても達成出来たかもしれませんが、サブ3となると、25km以上のロング走は必須です。

25~30km距離走

サブ3達成のためにスタミナ強化の練習として欠かせない距離走(ロング走)。距離は25~30kmに設定。35km以上を走るのも有りですが、30kmを超えるとサブ3を目指すようなランナーの場合でも体に大きなダメージが残り、翌日以降の練習に支障をきたす可能性が高いので、最長でも30kmまでがベストです。また、ロング走にあまり慣れていないようなランナーの場合は25km走を週1ペースでするのは足への負担が大きすぎるので、まずは20kmから取り組むのがオススメ。

ペースは、レースペース(4分15秒)より遅く、5分から5分15秒あたり。長い距離を走りスタミナを強化するのが狙いなので、最初は5分30秒ぐらいでも大丈夫です。

3時間LSD

スタミナ強化として距離走とともにLSDもオススメの練習。サブ3を狙う場合は、3時間LSDに取り組みたい。3時間走ることで、3時間走り続けるスタミナを養うことが出来、レース終盤でバテるのを防ぐことが出来ます。ペースは、6分程度と遅いペースですが、その分地面との接地時間が長く、普段のランニングとは違った刺激を得ることが出来ます。

スピード持久力強化の練習

ペース走をするランナー

平均4分10~15秒ペースで走り続けるための実践的な走力を磨く練習も重要。スタミナを養う練習やスピードを養う練習も重要ですが、本番サブスリーを達成するためには、練習でレースペースで走っておくトレーニングは欠かせない。もちろん、最初からサブスリーペースで長い距離を走るのは難しいので、スタミナ練習、スピード練習で走力を高めながら徐々に走るペース、走る距離を伸ばしていくのがオススメ。

20kmペース走

サブ3を達成するために欠かせないペース走。ペース走は、4分10~15秒に設定して20kmの距離を走ります。もちろん最初はなかなか難しいので、走る距離を10~15kmからにしたり、走るペースを4分30秒から始めたりして、徐々にレースペースへと近づけていきます。

目標は、20kmペース走を4分でこなせるようになること。レース直前で4分ペースで20km走をこなせるようになったら、サブ3を達成できる可能性が高いです。2

20kmビルドアップ走

ペース走以外にビルドアップ走もオススメ。サブ3を目指すレースでは、30km過ぎあたりから失速することが多いので、少しでも失速を抑えるためにも、後半にあげる走り方のビルドアップ走に取り組んでおきましょう。ビルドアップ走を定期的にやっておけば、後半でも気持ちはペースアップするような走り方が出来るようになります。また、最後の数キロでサブ3達成できるかどうかの瀬戸際で、ラストスパートできるようになるので、ペース走の代わりにビルドアップ走も取り入れてみましょう。

スピード強化の練習

競技場で走る準備をするランナー

サブスリーの平均ペース、「4分15秒」はなかなか速いペースです。当然、1kmの全力走が4分15秒よりちょっと速いぐらいではサブスリーは到底無理です。サブスリーを達成するためには、それなりの絶対的なスピードが必要です。そして4分15秒というペースが楽に感じるようになっていなければいけません。そのために、練習でスピード練習をやっておく必要があります。1kmや5km、10kmといった短い距離を走るスピードが上がれば上がるほど、サブスリーのペースが楽になり、本番当日でサブ3を達成できる可能性がグッと高くなります。

特に、まだ10kmやハーフマラソンの持ちタイムがサブスリーに匹敵すぐぐらいのタイムに到達していないというランナーは、スタミナ練習よりもスピード練習に重点的に取り組みましょう。

1kmインターバル走

サブ3を目指すための定番のスピード練習は、1kmインターバル走です。1kmを2~3分のジョギングでつなぐインターバルを5本取り組みます。ペースは3分40秒。サブスリーを達成するためには、最低でも3分40秒で5本こなすだけの力が必要で、もっと言えば3分30秒を切れるだけの走力がある方が安心です。もちろん、最初からサブスリーのためのインターバルをこなすのは難しいと思うので、ペースを遅くするか、本数を減らすかなどして対応する必要があります。

10kmペース走

スピード練習として、1kmインターバルだけじゃなく10kmペース走もオススメ。レースペースより速いペースで走ることによって、心肺機能を強化し、4分15秒ペースを楽に感じられるようになります。そのため、ペースはレースペースより速いキロ4分に設定。サブスリー達成のために20分閾値走に取り組むという方法もありますが、10kmペース走ならスピード強化とともにスタミナを鍛えることもできます。

サブ3達成のための1週間の練習計画例

ランニングをする男女

パターン①

休養
60分ジョグ5:30/km
1kmインターバル走4:40/km
休養
30分ジョグ5:30/km
25km走5:15/km
90分ジョグ5:30/km

1週間の練習は、ポイント練習2回ぐらいが最適。週1のポイント練習は、スピード練習となる1kmインターバル走。週末の土日どちらかにポイント練習となる距離走。あとは、30~90分のジョグをつなぎ練習として入れると良いです。

パターン②

休養
60分ジョグ5:30/km
10kmペース走4:00/km
休養
30分ジョグ5:30/km
15~20kmペース走4:15/km
90分ジョグ5:30/km

スピード練習として、1kmインターバルだけではなく、10kmペース走に取り組むことで、練習にメリハリが出てくるので、スピード練習の水曜日に1kmインターバルの代わりとして10kmペース走を定期的に取り入れるのがオススメ。また、週末のロング走は、ゆっくりと走る距離走だけではなく、レースペースで走るペース走も取り入れましょう。20kmペース走を、レース直前までに4分ペースでこなせるようにするのが、サブスリー達成への練習での大きな目標です。上手くスタミナ練習とスピード練習を取り入れながら、サブ3レベルへと近づいていきましょう。

最終仕上げの30km走、ハーフマラソンで自信をつけよう

長距離を走るランナー

サブ3へ向けた練習を順調にこなしていったら、最終仕上げはハーフマラソンや30km走。レース直前の時期に、ハーフマラソンをキロ4分ペース(1時間24分)、30km走をキロ4分10~15秒ペースで走れたら、本番のフルマラソンで3時間切りを達成できる可能性がグッと近づきます。サブスリーを達成できるかどうか自信を持てないまま本番を迎えるよりも、「自分は出来る!」と自信を持ってのぞんだ方が良い結果は出やすいので、レース直前のハーフマラソンや30km走で自信をつけておきましょう。

憧れのサブ3を目指して頑張ろう

マラソントレーニングに励むランナー

サブスリーを目指すレベルになると、日々のトレーニングは本格的なランナーの練習になってくるので大変です。一回当たりの走行距離は長くなり、ペース走やインターバル走のペース設定は速くなり、1回1回の練習がハードになります。正直練習を辞めたくなる時もあるでしょう。そんな辛い練習に耐え、月間走行距離が250km、300kmを超えたという場合でも、大会で残念ながらサブスリーを達成出来ず悔しい思いをするランナーはたくさんいます。何度も何度もサブスリーに挑戦しても中々達成出来ずにいるというランナーも多いです。

サブスリーはそのぐらいハードルの高い壁です。でも、そのぐらいハードルが高いからこそ、それを達成出来た時の喜びは格別。サブスリーを達成するゴールの瞬間には大きな感動や達成感が待っているはず。そんな素晴らしいゴールを迎えられるよう、くじけずサブスリー目指して頑張っていきましょう。

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