ファルトレクとは

ファルトレクトレーニングとは?その効果と練習方法について

投稿日: 著者:RUNNAL編集部

スタミナとスピードを同時に効率よく強化できるのがファルトレクという練習方法。ファルトレクは、速いペースとゆっくりのペースを繰り返しながら30~60分程度走り続けるトレーニングで、陸上長距離走やマラソンの走力を高めるのに効果的です。日本のランナーにはあまり知名度は高くありませんが、海外では割と人気がある練習。特にマラソンに強いケニアの選手の間では定番となっている練習メニューです。

この記事では、今注目のファルトレクとはどんな練習方法か、その効果や具体的な練習メニューについて詳しく紹介しています。長距離走やマラソンでの自己ベスト更新へ向けて、新たなトレーニングメニューを取り入れたいと思っているランナーの方は是非参考にしてみてください。

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ファルトレクとは

ファルトレクトレーニングをするランナー

ファルトレク(fartlek)とは、スピードの変化をつけながら走るトレーニングです。例えば、1分速いペースで走って1分ゆっくりと走ってといったFASTペースとSLOWペースを交互に繰り返しながら走るのがファルトレクです。ファルトレクはスピードのある区間を挟みながら30~60分間と比較的長い時間走るので、スピードと持久力両方を同時に鍛えることが出来ます。

ファルトレクは、日本のランナーにとってはあまり馴染みが薄いものですが、マラソン・陸上長距離走の強豪国であるケニアでは定番の練習方法です。ケニアでは起伏のある不整地をみんなでスピードの変化をつけながら走るのが一般的で、世界記録を狙うトップ選手から将来マラソンランナーを目指す若者まで多くのランナーがこぞってファルトレクで走り込んでいます。

ファルトレクとインターバル走との違いは?

速いペースで走る男性

ファルトレクはインターバル走と似ています。疾走と緩走を繰り返すという意味では、インターバル走と同じ。ファルトレク定番のメニューである「1分間疾走→1分間ジョグx10セット」は、一見ショートインターバル走と同じに見えます。しかし、そこには大きな違いがあります。それは、走るペースに設定が無いということ。インターバル走は、目標レースペースに合わせて疾走時のタイム設定がありますが、ファルトレクはありません。また、疾走の時間や距離を設定しないで取り組むことも多いです。

インターバル走は速く走る区間の距離とペース、ジョグのする区間の距離とペースまでカチッと明確に設定することが多いですが、ファルトレクはそいうった設定をしないのが基本。せいぜいスピード区間とスロー区間の時間を設定するぐらいで、後はその時のコンディションや気分に合わせて自由に走ります。

ファルトレクはスウェーデン語で「speed play(速さ遊び)」という意味。ファルトレクはもともとスピードの変化や疾走時の爽快感楽しみながら取り組むトレーニングなので、インターバル走のようにカチッと走る距離やペース、時間を決めておく必要はないのです。

ファルトレクの効果

不整地を走るランナー達

効果①持久力アップ

ファルトレクは30~60分走り続けるので、スタミナ強化に効果的です。スピードの変化がある中でのランニングなので、通常のジョグよりも実践的なスタミナを鍛えることが出来ます。

効果②スピード強化

速いペースで走る区間がある練習法なので、スタミナと同時にスピード強化に効果的です。疾走時のペースや距離はその時々で柔軟に設定できるので、マラソン初心者でもスピード練習として取り組みやすいです。

効果③ペース変化に強くなる

「FAST(速い)」と「SLOW(ゆっくり)」を繰り返すので、レース中のペース変化に強くなります。陸上中長距離走やマラソンではレース中のペースの変化に対応出来ず、レースに負けてしまうことがありますが、ファルトレクで鍛えておけばペース変化の激しいレースにも対応できるようになります。

効果④マラソン終盤に強くなる

レース終盤は足に乳酸が溜まるので、失速してしまうことが多いです。しかし、ファルトレクは乳酸除去能力を高める効果もあるので、終盤に強い体を作ることが出来ます。ペースの変化もすぐに出来るようになるので、ラストスパート力を磨くことにもなります。

効果⑤脚力強化

不整地や階段、上り坂・下り坂といったコースでファルトレクをすれば、脚力を効果的に鍛えるトレーニングにもなります。ケニアの選手たちも起伏のあるコースを走ることが多いので、より高い効果を狙うならアップダウンのある場所を選んで取り組んでみると良いです。

ファルトレクの練習方法

走る前の準備をするランナー

  • (1分FAST→1分SLOW)x10セット
  • (1分FAST→2分SLOW)x10セット
  • (1分FAST→2分SLOW→2分FAST→1分SLOW)x4セット

ファルトレクは自由度の高い練習方法です。基本的にスピードの変化を楽しむ練習なので、インターバル走のようにカチッとペースや距離等を設定する必要はありません。疾走時のペースや距離、時間、ゆったりペースのジョグのペースや距離、時間もその時の自由です。これといった設定はせずに、適当な目印を見つけてそこまで速いペースで走って、そこから呼吸が落ち着くまでジョグして、また次の目印を見つけて走るといったように、自由気ままにペースの変化をつけながら走るのが一番です。

ただし、最初はどうしても練習の仕方の目安が欲しいと思います。そんな方は、「1分速いペース→1分スローペース」というメニューを10セット連続で取り組むのがオススメ。もし、1分スローペースがきついなら2分にすると良いです。また、さらに刺激を求めるなら「1分速いペース→2分遅いペース→2分速いペース→1分スローペース」といったような変化の大きい走り方がオススメ。

集団で取り組むファルトレクが効果的

集団走をするランナーたち

ファルトレクは一人で取り組むのも良いですが、二人以上で取り組むのもオススメ。その理由は、より実践的な変化をつけたランニングが出来るからです。

集団の中でリーダーを決めて、そのリーダーのペースに合わせて走ります。リーダーは「速いペース→遅いペース」とペースを変化させながら走りますが、後ろの人はどんなペースでどのぐらい走るのか分からないので、かなり実践的なペース変化の対応力を磨くことが出来ます。さらにリーダーはずっと固定ではなく、絶えず後ろの人と交代し、様々なペースの変化を受けながら走ります。

また、ファルトレクは自由度が高いために、手を抜くことも簡単。でも、みんなと一緒に走るのであれば、手を抜くことは出来ないので、強度の高いトレーニングとして取り組むことも可能です。スピード練習が初めてでインターバル走といった練習が苦手というビギナーでもみんなと一緒に走ることで楽しくスピードのある走りが出来ます。

ファルトレクをトレーニングに取り入れてみよう

トレーニングをするランナー

日本のランナーのマラソン・長距離走の定番の練習方法と言えば、ロング走、ペース走、インターバル走といったもの。もちろんどれも効果的な練習方法ですが、毎日のように同じ練習ばかり取り組んでいると体がその練習に慣れてくるので、練習効果が下がってしまいます。ランニングを始めた頃は順調にタイムを伸ばすことが出来たのに、最近になってタイムが伸び悩んできたというランナーは、ファルトレクに挑戦してみてください。ファルトレクという練習を新しく取り入れることで、体に良い刺激が入り、タイムのさらなる向上へとつながるはずです。マラソンで強いケニアの選手達の定番の練習方法となっているぐらい効果的な練習なので、サブ3やサブ3.5と高みを目指すために、ファルトレクをやってみましょう。

    RUNNAL編集部

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