マラソン大会で完走した後に貰う完走証に乗っている「グロスタイム」と「ネットタイム」の違いについて紹介しています。初めてのマラソン大会の場合、どっちのタイムが正式な記録なのか疑問に思うことも多いと思います。そういった場合はこちらの記事を参考にしてみてください。
グロスタイムとネットタイムについて
グロスタイムとは
グロスタイムとは、スタートの号砲からフィニッシュラインを通過するまでのタイムのことです。マラソン大会のスタートの合図である号砲が鳴ってから、計測がスタートし、ゴールのフィニッシュラインを通過して計測が終了します。9時に号砲が鳴り、13時にフィニッシュラインを通過した場合のグロスタイムは4時間00分00秒となります。
ネットタイムとは
ネットタイムとは、スタートラインを通過してからフィニッシュラインを通過するまでのタイムのことです。スタートラインを通過してから計測がスタートし、ゴール地点のフィニッシュラインを通過して計測が終了します。9時に号砲が鳴り、9時10分にスタートラインを通過、13時にフィニッシュラインを通過した場合のネットタイムは3時間50分00秒となります。
グロスタイムとネットタイムの違いは”計測開始のタイミング”
グロスタイムとネットタイムの違いは、計測を開始するタイミングの違いです。グロスタイムの場合は、号砲が計測開始のタイミング、一方ネットタイムの場合は、号砲後ではなくスタートラインを通過が計測開始のタイミングです。
マラソン大会では、全てのランナーが一斉にスタートラインを通過するわけではありません。参加者はスタート前に整列し、列を作ります。参加者が多い都市部の大規模マラソンほど列は長くなり、スタートラインまでの距離が遠くなります。そのため、列の後ろにいるランナーほど号砲後、スタートラインを通過するまでに時間がかかります。
列の後ろの方にいるランナーほどスタートラインを通過するのに時間がかかり、グロスタイムでは本当の実力を反映したタイムを確認することが出来ないので、生まれたのがネットタイムです。ネットタイムは、スタートラインを通過してから、タイムを計測するため、自分の客観的な走力を確認することが出来ます。
正式記録は「グロスタイム」、「ネットタイム」は参考記録扱い
日本では日本陸上競技連盟が規定で明記しているように「グロスタイム」が公式記録となっています。「ネットタイム」はあくまでも参考記録扱いです。別府大分毎日マラソンでは参加者の条件として、持ちタイムに条件を付けていますが、そのタイムはグロスタイムのみが有効です。ネットタイムは日本陸上競技連盟が公式記録としては認めていないものの、本当の実力を客観的に示すタイムのため、市民ランナーの場合はこのネットタイムを自分の本来の実力のタイムと捉えて大丈夫です。グロスタイムが4時間08分、ネットタイムが3時間58分の場合は、堂々とサブ4ランナーを名乗りましょう。友人や家族にタイムを教える場合も、本当の実力であり、本当の頑張った成果である「ネットタイム」を教えてあげると良いでしょう。
日本ではグロスタイムが公式記録で、ネットタイムは参考記録扱いですが、海外では市民ランナーの場合、ネットタイムを公式記録として扱っている場合が多いです。参加タイムの条件があり、市民ランナーの憧れの大会でもあるボストンマラソンでは参加条件のタイムにネットタイムを採用しています。