長距離を走るランナー

走り出し直後は苦しくて当然!?長距離走の「デッドポイント」と「セカンドウィンド」について

投稿日: 著者:RUNNAL編集部

長距離を走ると、走り出し直後にきつさを感じることがあります。それがデッドポイント。そして、デッドポイントを乗り越えると、その次には楽に感じるセカンドウィンドがやって来ます。初めての長距離走やマラソンでは、デッドポイントとセカンドウィンドというものがあることを知っておくことが大切です。この記事では、ランニング直後に訪れるデッドポイントと、その次にやってくるセカンドウィンドについて詳しく紹介しているので、是非参考にしてみてください。

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デッドポイントとは

走り出す人

長距離走のデッドポイントとは、走り出し直後から15分程度続く苦しい状態のことです。普段と同じペースで走っているのに、走り始めに「息が上がる」「足が重たい」といった違和感を感じたことは、ランナーなら一度や二度はあるはず。あまりデッドポイントという言葉を知らないと、「あれ?今日は調子が悪いのか・・・」と勘違いしてしまうこともありますが、まさにこれがデッドポイントと言われる状態。

なぜこのように、走り始めはきつく感じるのか。それは、体内への酸素供給が追い付いていないためです。走ろうと思うと、歩いている時以上にたくさんの活動エネルギーが必要となります。そのエネルギーを生み出す際に酸素が必要で、その酸素を使って体内の糖や脂肪を燃焼させることで筋肉を動かすためのエネルギーが作られます。走り出しは、体内への酸素の供給がどうしても追いつかないので、息切れを起こしたり、足が重く感じたりします。

セカンドウィンドとは

快調に走る人

長距離走のセカンドウィンドとは、苦しいデッドポイントを乗り越えた状態。心肺機能による体内への酸素の供給がスムーズになり、必要なところに酸素が必要な量届くことで、筋肉をしっかり動かすことが出来るようになって足がスムーズに動くようになります。当然、息切れもなくなり息も落ち着いてくるので、最初の走り始めの状態よりもかなり楽に走れるようになります。マラソン大会でも、最初の走り出しは、「ちょっとしんどいかも」という状態が数キロ程度続く場合がありますが、体が走ることに順応していくことで次第にその苦しさがなくなっていきます。

また、セカンドウィンドは、「ランナーズハイ」と同じものだと誤解されることも多いですが、まったくの別物です。ランナーズハイはハイペースで長時間走ることで突如現れるもので、滅多に経験出来るものではありません。また、特徴としては、ランナーズハイになることで疲れをほとんど感じなくなり、どこまでも同じペースを維持出来そうな感覚になるもの。一方、セカンドウィンドは走り出して、走ることに慣れてくるうちに必ずと言っていいほど現れるもの。そして感覚としては、ランナーズハイのように自分が持っている力以上を出せるといった感覚ではなく、体が落ち着き自分本来の力を引き出せるといった感覚です。

デッドポイントとセカンドウィンドの関係性

デッドポイントとセカンドウィンド

デッドポイントとセカンドウィンドの図式

デッドポイントとセカンドウィンドの関係性は、切っても切り離せないものです。走り出してすぐに訪れるのが、デッドポイント。そしてその次にセカンドウィンドがやって来ます。走り始めは、酸素を取り込む呼吸器や体内へ酸素を運搬する循環器がまだうまく順応出来ていないために、「酸素の消費量>酸素の供給量」という状態になり、きつく感じます。これがデッドポイント。やがて心肺機能が走ることに順応してくると、酸素の供給が追い付き、デッドポイントを抜けて、ラクに走れるセカンドウィンドへと突入します。

自分の適性ペースで走っていると、必ずセカンドウィンドはやってきます。最初は苦しくても、同じペースで走り続けることで、どこかのタイミングで呼吸が整い、足も軽く感じるようになります。ただし、このタイミングには個人差があります。一般的にはデッドポイントとセカンドウィンドが切り替わるタイミングは15分前後と言われていますが、もっと速い人もいればもっと遅い人もいます。

つらいデッドポイントを抜けて素早くセカンドウィンドへ移行する方法

走る前のウォーミングアップをする人

デッドポイントは正直つらい。出来れば走り出し直後から楽に走りたいもの。実は、デッドポイントを出来るだけ早く抜けて、セカンドウィンドへと移る方法があります。それは、「ウォーミングアップ」をすることです。ウォーミングアップで体をある程度動かすことに慣れておけば、最初の苦しいデッドポイントでのランニングの時間を短くすることが出来ます。それは、本番走る前に、ストレッチやジョグをすることで、体温をあげて、心拍数を上げておくことで走ることに慣れた状態の体を作り上げることが出来るからです。

走り出しはウォーミングアップのつもりでゆっくりと走る、マラソンは完走が目標でゆっくりと走るといったランナーの場合は走る前にストレッチ以外はそれほど必要ありませんが、フルマラソンでサブ3やサブ4を目指すランナーや5kmや10kmのショートレースへ参加するというランナーは、ストレッチ以外に短めのジョグをして、最初から気持ちよく走れる体を作っておくと良いでしょう。

走るとずっと苦しい!セカンドウィンドが来ない原因は?

ランニングが苦しくて立ち止まる人

ランニングやマラソンを始めたばかりの人は、「ずっと苦しい」という人もいるでしょう。最初の苦しさの次は、ラクに感じるセカンドウィンドが来るはずなのに、最初から苦しい状態が長く続き、目標の距離を走りとおすことが出来ない、或いはすぐにペースダウンしてしまうなんて場合も。実は、その原因はオーバーペースです。本来の自分が持っている力以上に速いペースで走ってしまっているために、走り出しの数キロでほとんどの体力を消耗してしまっているのです。

セカンドウィンドはある一定時間我慢して走れば必ず楽になるタイミングが来るといった魔法のようなものではありません。あくまでも自分が持っている力のペースで走っていて、やってくる「自分の本来の力を出せる時間」です。走り出しで自分の本来の力以上のペースで走ってしまえば、セカンドウィンドを体感する間もなくすぐにバテてしまいます。もし、セカンドウィンドが来なくて困っているという人は、走るペースを落としましょう。そうすることで、セカンドウィンドを体感することが出来ます。

楽に走るために自分のペースを維持して走ろう

長い距離をランニングする人

自分が持っている体力以上の速いペースで走り出すと、走り出し直後で大きく体力を消耗してしまうので、セカンドウィンドを迎える前に失速してしまいます。長距離を出来るだけ楽に速く走ろうと思ったら、最後まで一定ペースで走り続けられる自分のペースで走り出すことが大切。そうすれば、走り出しは多少つらく感じても、どこかのタイミングでセカンドウィンドを迎えて、楽に感じることが出来ます。

    RUNNAL編集部

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